どうでも良いが、出発前は急な手配と準備で忙しくなるせいか、だいたい極度の寝不足で出発である。「時間はどうせたっぷりあるから飛行機で現地の予定を立てるか…」と思い、実行できた試しがない。寝るだけである。
「九寨溝の水を見ると、他の水は見られない」と言われるように、澄み切った水の作る様々な色合いの湖が大変美しく、一度見ると何時までも記憶に鮮明に残るような景観が有名である。
現地の旅行代理店を通して入場券をあらかじめ買っておけば問題ないようであるが、今回は時間が無いため手が回らず。開園前から並んでいれば多分買えるだろうということで、気にせず行くことにした。買えないと大枚はたいて何しに行ったのか分からなくなるのだが…。
航空券
盆のさなか出発前日に航空券の購入をするとなるとさすがに空き状況の動きが激しいようで、数時間前まで空いていた席が、購入時になくなっていたりと非常に手間取った(旅行代理店の人も相当手間だったに違いないだろうが)。
「成田→広州→成都→九賽溝」の旅程なのだが、九賽溝へ入る一般的なルートである「成都→九賽溝」間の状況が特に激しく動き、往復共にエコノミーがいつのまにやら満席に。残るはファーストクラスが2席。
「わずか40分の国内線にファーストクラスとは…」とためらったが、それ以外選択肢もない。空港内のファーストクラスラウンジの利用を期待し、泣く泣く購入した。
今回は広州で1泊し、翌朝すぐに九賽溝へ発ったのだが、乗り継ぎの良い便に乗ると一気に九賽溝までいけるようである(これも気がつくと満席になっていた)。
やはり前日に手配するとなると明らかに分が悪い。(しかも平日会社から手配するのはもっとつらい)
ホテル
現地でホテルを決めても良いのだが、今回は滞在期間が短く時間が惜しい。とりあえず時間もないことなので航空券と一緒に旅行代理店にお願いした。
が、大都市広州はどうにかなったのだが、やはり九賽溝はどこもホテルが満室であった。ガイドブックには九賽溝のホテル情報があまりのっていないので、ウェブより検索、数件探し当てたので(ちなみにオフィシャルサイトは1件も見つからなかったが)、何となく良さそうなホテルを選び、電話をかけてみた。
「予約担当のMr. ○○(中国人)へ連絡してください。彼は英語をしゃべれます。連絡先は…」
ぎりぎり英語を話せる人につながったので助かった。かなり怪しい英語であったが、お互い様であろう。そうか、予約担当の○○さんに電話か…。
「Hello? Mr. ○○?」
「ウェイ?」
「Hello? Mr. ○○? Can you speak English?」
「ウェイ?」
「Hello?」
「英語しゃべれますか?(中国語で)」
「…」
ブッ
やはり中国。高級ホテルは別なのだろうが、思った通り英語が通じない。何はともあれさっきのフロントの姉ちゃんに…。
「さっきの人、英語全然話せないんだけど…」
「(大笑)」
大笑って…。あんた…。
とりあえず次の人を紹介してもらい、再び連絡。
次の人も中国語で出たが、何とか英語が少し分かるようで、英語と中国語まぜこぜでどうにか予約ができた。
「有問題、打電話(問題があったら電話くださいね)」
多分問題があっても、その問題を伝えることはできないんだろうなぁ…。まぁ多分予約できたんだから大丈夫だろう、うん。
2006/8/15(火) 1/5日目 成田→広州
昼過ぎの便にて出発。夕方には広州に着く。
広州へは九寨溝へ行くために寄らざるを得なかった程度なので、特に何をしたというわけでもない。
時間はなかったが、せっかくなのですぐさま繁華街へ出て夕食を取った。
広東料理屋。実はこれを最後に、数日うまい食事にはありつけなかったのである。
|
2006/8/16(水) 2/5日目 広州→成都→九寨溝
早朝出発し、成都へ移動。
成都から九寨溝へはファーストクラスで移動だったので、成都空港内のファーストクラスラウンジが利用可能であった。
左に曲がるとファーストクラスラウンジ |
ラウンジへの渡り廊下。なんか簡単に外に出られてしまいそうだが、良いのだろうか。 |
がらんどうなラウンジ。広々としていて良いのだが…。 |
暇そうな従業員のお姉さん、外に向かって爪を切る。 このラウンジにいては、間違いなく飛行機の時間になっても声がかからないような気がしたので、早々とゲートへ向かった。 |
ゲート付近では、ホワイトボードに九寨溝の気温が書いてあり、防寒服を売っている。 |
機内より撮影。わくわくしてくる光景である。 |
しゅ、首相が参拝…。そういえばその日であった。これ以降帰るまで、新聞ではこの特集ばかりであった。機内でこの新聞を渡されると、何となく意識してしまう。 |
昼過ぎくらいに九寨黄龍空港に到着。広州や成都と違って、湿気が無く爽やかな風が。標高3500m。 |
やはりここでも防寒服が。大した服を持ってきていないので、だんだん心配になってくる。 |
空港自体は新しいが、まだかなり小さい。空港の敷地内には、増築中の建屋が多く見られた。 |
タクシーが待機しているので、移動に問題はない。 |
ここでタクシーをつかまえて午後から九寨溝を見学しようかと考えていたのだが、車中タクシーの運転手と話していると
「黄龍を見てから九寨溝へ向かってはどうだ」
と。もう昼の2時をすぎているというのに、黄龍を見学する時間があるというのだ。
実はこの黄龍、行きたかったのだが時間的な制約もあり、今回はあきらめていたのである。
「九寨黄龍空港」という地名からも、黄龍が九寨溝と並ぶ観光名所であることはおわかりいただけるだろう。ここも世界遺産の一つである。
どうせ夕方から九寨溝へ行ってもろくに見られないと思っていたので、行ってもらうこととした。
空港から黄龍へは3800m以上の峠をいったん越え、少々下っていったところにある。 |
空港から黄龍までの軌跡。左上が空港。右へ行かずに左下へ向かっていくと九寨溝へ。こんな地形のところを移動した。 |
黄龍入り口付近。空港からちょうど1時間程度で到着。観光バスだらけ。 |
ここでチケットを購入してから入場。 |
ピクニックへ来るような格好の人が多い。 |
入り口の石碑。この場所で標高3200m程度。 |
荷物をタクシーに預け、3時半くらいから登り始めた。7時に入り口で再び運転手と待ち合わせだ。
なにやら既に下山している人ばかりの気が…。 |
こんな棚田状の景色が名物。 |
コースには、こういった湖が多数有る。それぞれに名前が付いている。 |
瀲艶湖。 |
なんとか湖。 |
争艶池。 |
至る所にゴミ箱あり。さすが世界遺産。 |
トイレもちゃんとある。 |
こんなカンジの遊歩道を歩いていく。 |
携帯の電波はちゃんと来ている。 |
この辺りになってくると、高山病の症状がひどくなってきた。
私の場合、標高3000mを越えたあたりから以下のような症状が徐々に現れてくる。
血流と同期して頭痛がする
軽い吐き気
手足の末端が冷たくなる
顔が冷たくなる
異常な寒気(動いていると平気)
ボーとしてくる
首が動かしづらくなる
ろれつが回らなくなってくる
3000mを越えてもさほど呼吸は苦しくないのだが、「なにやら頭が痛いような気がする」というところから高山病が始める。
過去に何度も高山病になっているので、呼吸や休憩には気をつけていたのだが、高山病を避けることはできなかった。
中寺。チベット仏教? |
続いてすぐに黄龍古寺。ここまで来ると頂上はもう少し。 |
頂上にある五彩池。入り口からの距離は約4200m。 |
池の深さによって多種多様な色となる。右側が頂上付近。 |
頂上に着いた時点で6時半。確か入り口での待ち合わせは7時だったような…。
3時間かけて登った道のりを、30分で戻るのは既にあきらめ気味。 |
結局1時間下山にかかり、到着したのは7時半。30分の遅刻だ。
人も車ももうまばら。 |
多少焦りつつタクシーの運転手を探すが見あたらない。イヤな予感的中。
「まぁそんなに焦らず、もう一度探してみるか」
と、落ち着いたふりをしながらもう一度辺りを探して見るも本当にいない。
「さっきの運転手の携帯の番号聞いているし、ちょっとかけてみるか、どれどれ…。つ、通じないんだけど…?」
「登る前に撮った写真にタクシーのナンバーが写ってなかったっけ? あぁ!? デジカメの電池切れた!?」
落ち着いたふりがだんだんできなくなってきた。
そんな中、フリーのタクシーが待っていたの見つけた。彼らもこっちに声をかける。
「とりあえずはここを離れてホテルへ行かなくては」と思っていたところだったので、渡りに船である。
「いやいや、もう一度最後に探してみよう…あ! いた!」
運転手は売店で焼きそばを食べていた。まぁそらおなかも減るよね…30分も遅刻したし。でも携帯くらい通じて欲しかったなぁ…。
危うく別のタクシーの誘惑に乗るところであった。危ない危ない。
その後真っ暗で寒い山中を2時間半かけて進み、10時過ぎに九寨溝のホテルへ到着した。
車中寒さと吐き気との戦いであった。辛いときは寝るに限る。(死なない程度に)
しかしながら、九寨溝入り口付近のホテルは標高が2000m程度なので、高山病は一気に改善した。
ホテルのレストラン。他に食事ができる場所がないので、閉店間際のプレッシャーなど気にしていられない。 |
明日の朝はようやく九寨溝である。
2006/8/17(木) 3/5日目 九寨溝
昨日は暗くてわからなかったが、ホテル外観はこんな感じであった。写真ではわからないが、入り口屋根にチベット文字も見える。 |
九寨溝周辺にはホテルや現地の人が行くようなレストランなど結構ある。とはいえホテルに関しては満室注意。今回は結局自分でホテルに電話をかけて予約した。 |
九寨溝入り口。タクシーで10分程度。
|
入り口に入ったところ。奥にあるゲートの前に、チケット売り場や売店がある。 |
チケット売り場。7時半開園ではあるが既に販売はしている。まだ客も並ぶほどはいない。この時点で7時15分くらい。 |
チケットは2日間有効だが、2日目も利用する予定がある場合にはここに並ぶ必要がある。ちなみに中国語の案内しかみあたらない。 |
その場でデジカメで撮影され、チケットにレーザープリンターで写真が印刷される。券を他人に譲渡できない仕組みとなっている。別に2人で一緒に写ろうと構わない。 |
入り口のゲート。なんとなくDisney Landを彷彿とさせる。 |
ゲートを越えるとバスが沢山待機している。どのバスも一番頂上を目指して行くので、どれでも良いのでまずは乗る。 バス乗り場の状況をみていると、どうも7時半前から既に運行しているような感じであった。 |
バスには民族衣装を着たガイドが各名所の説明をしてくれる。が、しかし当然中国語なので、中国語が全くダメな人は「ここに何かあるらしい」くらいしかわからないので要注意。地図と各所にある小さな看板をバスの窓越しに凝視して判断することとなる。 |
バスの登り道はかなり険しく揺れる。頂上まで30分程度であるが、乗り物に弱い人は要注意。やはりバスでは戻している人を、見たくはなかったが不幸にも見てしまった。
私は平気であったが、間接的に被害を受けていた。気が付いたら服の端に…。子供の場合、相当飛距離が出るらしい。バスの真ん中の通路を飛び越えるとは。
バスに乗る際に、ガイドに降りたい場所を指さして地図を見せておけばそこで下ろしてくれる。
朝はほとんどの人が頂上の終点まで乗っていくが、我々は「鏡海」なる湖を朝一で見るために途中下車した。朝一番が見頃だそうだ。
鏡海。湖に流れが無く、湖面に鏡のように映り込む。朝9時前頃が風がなくもっとも綺麗らしい。入り口バス乗り場から20分程度で着く。 |
この後バスに再び乗り頂上へ。頂上から降りて行きながら各名所を巡る算段だ。
頂上バス停付近。頂上には原始森林なる名所がある。大半の人がそこから観光し始めるようで、まだ9時前にもかかわらず人は多い。 |
原始森林。バス停から徒歩20分程度歩くと着く。よく見る山林といった感じで、特になんと言うことはない場所。 |
ここからはバスに乗らず遊歩道を下って湖を見ていった。
遊歩道。 |
草海。草が生い茂る。 |
案内板も沢山ある。ただし湖が沢山あるため、どれがどれだかわからない場合も。見たのかどうかもだんだんと怪しくなってくる…。 |
出会う人はまばら。掃除の人くらい。 |
天鵝海。 |
箭竹海。あまり面白くなかったりして…。 |
昼ご飯時となったので、バスに乗り諾日郎保護駅なる所まで下って昼食をとった。
バス停はほぼ名所ごとにあるので移動は楽。しかも数分に1回と、かなりの頻度でやってくる。あまり面白くない遊歩道は避けた方が効率良く回れそうである。 |
諾日郎保護駅。レストラン、おみやげ屋などがそろっている。 |
昼食時は人でごった返す。ビュッフェスタイルのレストランが3軒ほどある。 |
味は観光地の食事といった感じ。 飲み物は持ち込み可能。むしろ気にせず持ち込まないと何も飲むものがなかったような気が。ちなみに当然コーラは冷えていない。 |
九寨溝の観光ルートはY字型になっており、Y字の中心にここ諾日郎保護駅がある。
入り口はY字の根元。先ほどの原始森林はY字の右上に位置する。
九寨溝付近を移動したときの軌跡。Dへ向かう左上のルートはGPSのバッテリーが切れて記録できなかった。下が北の方角。
A: 九寨溝入り口(Y字根本)
B: 諾日郎保護駅(Y字中心)
C: 原始森林(Y字右上)
D: 長海(Y字左上)
E: ホテル
|
昼食を食べにバスでY字中心の諾日郎保護駅まで戻って来たが、全て見きれていない右上は明日見ることにして、次は左上を攻めることとし、バスで左上の頂上まで移動した。
長海。左上コースの頂上バス停付近にある。 |
バス乗り場の看板。中国語簡体字、英語、日本語、韓国語、タイ語で表記されている。流石アジアの世界遺産! ここ九寨溝の観光客は、9割以上中国人、それ以外は韓国人と日本人がまれに。欧米人はほぼ皆無であった。今後増えて来るであろう。 |
五彩池。長海からちょっと下に行くとある。見事な色合いだが、ものすごい人の数。朝早く行くと良いかも知れない。 |
「Y字の左上コース」には他にも湖はあるのだが、今は水が少なく観光は出来ないようであった。次は「Y字根本コース」へバスで移動し、徒歩で入り口方向へ向かって下っていった。
老虎海。 |
浮き輪もちゃんと完備。魚にエサをやらないでの注意も。 |
樹正瀑布。 |
公主海。滝の下の湖。 |
樹正群海。川に木が生えている。 |
独特の赤い根が水中の酸素を吸収するそうな。 |
臥龍海。基本的に遊歩道に人は少ない。多くの人がバスで移動できる範囲を中心に見学しているようだ。 |
火花海。湖から水があふれて、下の湖に流れ出している。このようにして湖が段になって出来ている。 |
双龍海。火花海の下の段の湖。 |
この辺りにはバス停もないので、草木の生い茂った薄暗い道をひたすら下るしかない。 同じような光景と湖が続き、さすがに飽きてくる。どれがどの湖だか。 |
芦葦海。芦ばかり。 |
盆景灘。ようやく開けたところに出た。後はバスにのって入り口に戻るのみ。 |
九寨溝入り口にある売店。レストランはないが、軽食屋、おみやげ屋などもある。 |
出口には常時タクシーが控えているので、移動に困ることはない。 |
九寨溝以外特に何もなさそうなので、ホテルへ戻り同じレストランで夕食となった。
レストランに入り、昨日の店員と目が合うと、「昨日の迷惑な外人がまた来た!」的な戸惑いがわかり、面白かった。
この日もインチキ中国語で、楽しく店員に迷惑がられるのであった。
2006/8/18(金) 4/5日目 九寨溝→成都→広州
昨日の朝も思ったのだが、何故このホテルの朝食には飲み物が温かい牛乳しかないのだろう。牛乳嫌いな人はどうしろと。
今日も水分なしで朝食を。はやりここでも持ち込みをすべきであったか。 どうでもよいが、ビュッフェの写真は嗜好がもろにわかって恥ずかしい。 |
今日は昼過ぎのフライトで成都経由で広州へ帰る予定なので、朝だけの限られた時間になるが九寨溝へ再び行った。
昨日見切れなかった「Y字右上コース」にある熊猫海で下車。 |
朝は若干霧がかかっているが、人がほとんどいないので存分に満喫できて良い。朝早い時間に行動するに限る。 |
五花海。 |
珍珠灘。 |
珍珠灘瀑布。 |
諾日郎保護駅。昨日の昼ご飯時とはうってかわって静か(9時半)。 |
諾日郎瀑布。まだ早い時間ではあるが、ここ近辺は寄りやすい場所のせいか人は多い。 |
バス停から樹正群海への降り口。Y字の根本コースは人だらけ。 |
九寨溝も一通り見終わりちょうど良い時間になったので、ホテルに戻りチェックアウトし、空港へ戻った。
空港へ行く最中、山羊が道をふさいでたりも。 |
九寨黄龍空港のレストラン。メニューはこれに海苔?のスープが付いた料理一品のみのようであった。選択肢は店に入るかは入らないか以外にない(もちろん持ち込めばさらに可能性は広がるが)。念のために説明しておくが、ビュッフェスタイルで自分で盛ったのではない。この状態で料理が来るのだ。味はさほど悪くない。 |
九寨黄龍空港のファーストクラスラウンジ。成都のラウンジよりも小さいが、仕事の出来そうなお姉さん2人が待機。入室するとチケットを確認しに来て、1つ早い便に変更してくれた。流石。 |
飛行機のサイズはこのくらい。 |
成都に到着後、広州へ移動。空港に着くともう夜になってしまい、食事へ行くくらいしかできなかった。
点心づくし。食は広州にあり! 数日ぶりに心の底からおいしいと思える料理にありつけた。しかしながら、またもや閉店間近のため急いでかっ込むしかなかった。まもなく夜の12時。 |
「これにて全旅程が完了して後は寝て帰るだけ」、と思ってホテルへ戻ったのだが、ホテル内のマッサージ屋が目についた。
「マッサージなくして、真の旅行とは言えない」というのが我々の信念なので、翌朝5時半ホテルチェックアウトなどは気にせず、信念を貫くこととした。
深夜にもかかわらず意外と客は入っているようで、10分程度待つこととなった。
1時間の手・足・背中のコースを受けたのだが、特別良くはなかったが、何せ日本と比べて安いのでともかく満足であった。
マッサージも受け終わり、「今度こそ後は寝て帰るだけ」と会計を済ませて部屋へ戻ろうとしていたところ、このマッサージ屋の営業案内が目についた。なんとこのマッサージ屋、朝の6時まで営業とあるではないか。「朝っぱらからマッサージを受けに来る客などいるのだろうか? 我々のホテル出発時間くらいまでやっているだなんて…」と思ったのだが、そう。まさに出発までにもう一度マッサージを受けることが可能であることが判明した。
「日本では高いマッサージ。多少の無理はしても受けられるだけ受ける」というのも我々の信念。貫くこととした。
2006/8/19(土) 5/5日目 広州→成田
シャワーを浴び、3時半過ぎに就寝。4時に起床。荷造りをしてチェックアウトの準備を済ませる。そしてマッサージ屋に再び直行した。
さすがに4時半ともなると、客は一人もいなかった。それに考えてみればわかる事なのだが、従業員の集中力ももはやない。時には手が止まるほど、従業員同士しゃべりながらマッサージをしている。これで気持ちよいはずがない。
ホテル内のマッサージ屋。普段は良いのだが、閉店直前のサービスは最低であった。 |
マッサージの最中、「飲み物は何がよいか?」と聞かれたのでコーラを注文した。都会らしく氷の入った冷えたコーラであった。九寨溝とは違い広州は暑い。
その後「スイカはいるか?」と聞かれた。中国ではスイカをよく食べる。熱いときは客人にお茶を勧めるよりも先に、「何はともあれスイカでも」と振る舞うと聞いたことがある。しかしながら食べにくいし種もあるので「いらない」と断ったのだが、結局スイカが出てきた。手を付けないのも悪いと思い、大した量でもなかったので全てたいらげた。
私は「残さずいただく」この習慣が好きだ。しかしながら、この美徳も善し悪しであることを最近身をもって知った。
クーラー直下で冷たいコーラにスイカ。おまけに疲労困憊で睡眠不足。マッサージなどどうでもよいので、一刻も早く部屋のトイレへ…。
「九寨溝の水を見ると、他の水は見られない」とか言っている場合ではないくらいの水っぷりであった。
この直後、今回も同行したK氏は39.3度の熱を出し、私も翌日熱を出し、二人とももれなく大風邪をひいたのであった。
九寨溝の深い水の色、水の様々な様相が今でも脳裏に焼き付いている。
九寨溝の綺麗な思い出は決して忘れない。そして汚い思い出も…。
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